鳩山邦夫法務大臣が死刑囚の名前とともに執行の事実を公表するニュース映像を見ていて、隔世の感がした。司法関係の取材に携わり始めた1990年代前半、日本では死刑は執行の事実すら公表されなかった。「究極の公権力行使なのになぜ公表されないのか?」という疑問を抱えながら、重い気持ちで法務省の関係者や弁護人らに確認にあたった。
遅すぎたとも思う氏名公表だが、死刑制度に反対する野党からも一定の評価を得ているようだ。
現在暮らしている米国の死刑関係の情報はもっとオープンだ。州によって異なるものの、執行の3カ月ほど前に公表され、関係者が立ち会いを許可されるところもあり、死刑囚の最後の食事メニューを州当局がネットで公開しているところもある。
「死刑大国」とも称される米国だが、昨年は東部のニュージャージー州が連邦最高裁が1976年に死刑復活を認めてから初めて死刑制度廃止に踏み切った。薬物投与による執行が憲法の禁止する残虐な刑罰にあたるか否かの審理を最高裁が始めたことで執行が凍結されるなど、制度のあり方に注目が集まっている。